グリーン水素・ブルー水素・グレー水素【水素3兄弟】

ビジネス&経済

こんにちは、どげなです。

本日は水素に関する話題を取り上げていきたいと思います。

水素と言えば、燃やしても水しか発生しないので、エコな燃料として最近話題になることも多いのではないでしょうか。

水素はその燃焼過程だけを見ると、確かにCO2は発生しませんが、水素を製造する方法によって、その過程で発生するCO2の量が異なります。

そのため、最近では製造方法によってグリーン水素、ブルー水素、グレー水素の3種類に分類され議論されることが多くなってきています。
「社会人としての常識」とまではいかないかもしれませんが、是非この機会に理解を深めましょう。

1.グリーン水素、ブルー水素、グレー水素について
2.水素の製造コストについて
3.国内の水素動向
4.まとめ
1.グリーン水素、ブルー水素、グレー水素について

これら3種類の水素についてはドイツが2020年6月に策定した「国家水素戦略」等に記載されており、以下の通り定義づけされます。

まとめると、CO2を排出しないグリーン水素、次にCO2を回収するブルー水素、最後にCO2は排出しっぱなしのグレー水素の順に「エコな水素」ということになるかと思います。

2.水素の製造コストについて

水素1kgあたりの製造コストを製造方法別で見てみるとグレー、ブルー、グリーンになるにつれて一般的には高くなるとされています。

(引用:2021年2月1日「水素エネルギーの成長軌道」KPMGジャパンより)

現状はグリーン水素を製造するコストが割高となっていますが、今後の技術革新により2050年ごろには再生可能エネルギー由来であるグリーン水素についても化石燃料由来のグレー水素に匹敵するとも言われているようです。
とはいえ、現状はグレー水素を有効に活用しながら、ブルー、グリーン水素へのシフトを進めていくことが重要であると考えます。

次の表はWell to Wheelと言って、文字通り井戸からタイヤつまり、燃料の製造から実際に走行するまでにトータルで発生するCO2の量を自動車の種類ごとに区分したものです。

例えば、1km走行時のFCV(燃料電池自動車)のCO2発生量は化石燃料由来のグレー水素の場合でも78~79gと、ガソリン車147gの約半分に削減することができるため、ガソリン車をFCV車に切り替えていくことは重要であると言えます。
また、FCV(オンサイト太陽光)の場合、14gとガソリン車の1/10に削減することもできると試算されております。

今後もしかすると、水素ステーションの水素がグリーン、ブルー、グレーのどれに該当するのかという所も付加価値として出てくるのではないでしょうか。

3.国内の水素動向

 2021年2月26日の日本経済新聞朝刊に、伊藤忠商事が仏産業ガス大手のエア・リキードと中部地方に液化水素製造プラントを設置するとの記事が掲載されております。

 液化天然ガス(LNG)から水素とCO2に分解し、発生するCO2は回収し、ドライアイスなどの工業用途として販売するとのことです。位置づけとしては、ブルー水素に近いのではないかと思います。
 国内の大規模な液化水素製造プラントは岩谷産業が中心となり運営しておりますが、競合が出現することで国内の競争力が増し、水素の製造コスト削減につながることが期待されるのではないでしょうか。

4.まとめ

 水素の「色」に関して紹介させて頂きましたが、長期的にはグリーン水素を使用する前提とした動きが世界的にあるように思います。とはいえ、製造コストの問題やインフラが整っていないという課題もありますので、まずはグレー、ブルー水素を活用しながら、Step By Step(徐々に)グリーン水素へのシフトを促していく動きになると考えます。
 今後も国内外の水素を活用した取り組みに注目していきたいと思います。

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